今回はStable DiffusionとそのWebUIである、AUTOMATIC1111をローカル環境にインストールする方法について解説します。
Stable Diffusionをローカル環境で実行するためには、少しスペックの高いPCが必要となりますが、一度ローカル環境を構築してしまえば、クラウドコンピューティングサービスのような制約がなく、存分に画像生成に没頭することができますので、ぜひ挑戦してみてください。
以前、以下の記事でDockerを使ってローカル環境を構築する方法についても解説しました。既にDockerを導入されている方は数行のコマンドですぐにインストールできますのでお勧めです。

また、当ブログのStable Diffusionに関する記事を以下のページでまとめていますので、あわせてご覧ください。


Stable Diffusionを実行するローカルマシンを用意する
Stable Diffusionをローカル環境で実行するためには、ゲーム等で使用されるグラフィックボードをPCに搭載する必要があります。
Stable Diffusionでは画像生成の際に、学習済みモデルを元に実行される推論処理の中で膨大な量の計算を行う必要があり、この計算をグラフィックボードに搭載されるGPUで高速化します。
このため、GPUの性能と、グラフィックボードに搭載されるメモリ(VRAM)の容量によってパフォーマンスが大きく左右されます。
グラフィックボードの選び方を以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

また、Stable Diffusionで使用するのにおすすめのプロフェッショナル向けGPUであるRTX A4000の性能テストも以下の記事で掲載しています。

Pythonをインストールする
Stable DiffusionとWebUIであるAUTOMATIC1111はPythonというプログラミング言語で実装されています。そのため、まずはPythonの実行環境をインストールする必要があります。
バージョンの確認
Pythonをダウンロード際に1つ注意点があります。WebUIであるAUTOMATIC1111のPythonの推奨バージョンが3.10.6となっています。(公式リポジトリインストールガイド)

Pythonインストーラのダウンロード
以下のPythonインストーラのダウンロードページにアクセスします。
バージョン一覧からPython 3.10.6 - Aug. 2, 2022
の項目を探します。
見つかったらDownload Windows installer (64-bit)
のインストーラをダウンロードします。

Pythonをインストール
先ほどダウンロードしたインストーラを実行します。
以下のようなインストーラの画面が開いたら、画面一番下のAdd Python 3.10 to PATH
のチェックボックスをONにします。
続いてInstall Now
をクリックします。

インストールが実行され、以下の画面が表示されたらClose
をクリックしてインストール完了です。


gitをインストールする
続いてgitをインストールしていきます。
gitはソフトウェアのバージョン管理ツールです。Stable Diffusion及びAUTOMATIC1111は、githubでオープンソースのプロジェクトとして公開されていますので、プロジェクトをダウンロードするのに必要となります。
gitの導入方法は、以下の記事で解説していますので、あらかじめ済ませておいてください。


AUTOMATIC1111 WebUIのダウンロード
ここからはAUTOMATIC1111のインストール方法について解説していきます。
AUTOMATIC1111 WebUIのgitリポジトリをダウンロードします。
AUTOMATIC1111 WebUIの公式リポジトリは以下となります。
Windowsアイコンの右の検索欄にPowerShell
と入力し、Windows PowerShellを起動します。

移動したらカレントディレクトリをStable Diffusion WebUIをインストールしたいディレクトリに変更するため、以下のコマンドを実行して下さい。(Cドライブ以外にインストールする場合はドライブ名も変更してください)
cd C:\(Stable Diffusionをインストールするディレクトリ)
インストールディレクトリに移動したら、以下のコマンドを実行してWebUIのリポジトリをクローンします。
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
以下のように表示されたらダウンロード完了です。


AUTOMATIC1111 WebUIのインストールと実行
続いて先ほどダウンロードしたAUTOMATIC1111 WebUIをインストールするスクリプトを実行します。
先ほどダウンロードディレクトリを開きます。webui-user.bat
というバッチファイルを実行します。

コマンドプロンプトが起動し、スクリプトが実行されます。初回は少し時間がかかりますので、完了までしばらく待ってください。(30分程度)

インストールが完了し、WebUIが起動すると以下のようにURLが表示されますので、ブラウザに入力してください。

WebUIの起動に成功すると、以下のようにAUTOMATIC1111の画面が表示されます。これでStable Diffusionを利用できる状態になりました。

2回目以降も同様にwebui-user.bat
を実行することで起動できます。

モデルを追加する
Stable Diffusionで画像を生成するためには、事前にたくさんの画像データを学習させた、学習済みモデルを入手し、Stable Diffusionの指定のディレクトリに配置する必要があります。
同じプロンプト(呪文)、パラメータを設定しても、モデルによって大きく絵柄が変わりますので、用途に合ったモデルを用意する必要があります。
モデルの入手方法
学習済みモデルは、生成したい画像がフォトリアル系かアニメ系(イラスト)かによってそれぞれに特化したモデルを入手する必要があります。
Stable Diffusionで使えるおすすめのモデルを以下のページで紹介していますので、お気に入りのモデルを探してみてください。

モデルの使用方法
モデルファイルをダウンロードしたら、以下のディレクトリにファイルを配置します。
モデルを指定する
指定のディレクトリにモデルファイルを配置し、WebUIを起動すると画面の左上の欄のStable Diffusion checkpoint
モデル選択ドロップダウンリストにモデル名が表示されますので、使いたいモデルを選択した状態でGenrate
をクリックします。

拡張機能をインストールする
Stable Diffusionでは、様々な拡張機能がリリースされており、WebUI上で簡単にインストールして使用することができます。
おすすめの拡張機能について以下の記事で解説しています。

Stable Diffusionで生成される画像のクオリティを上げる
動画学習プラットフォームUdemyでは、画像生成AIで高品質なイラストを生成する方法や、AIの内部で使われているアルゴリズムについて学べる講座が用意されています。
Udemyは講座単体で購入できるため安価で(セール時1500円くらいから購入できます)、PCが無くてもスマホでいつでもどこでも手軽に学習できます。
画像生成AIの使い方を学ぶ
Stable DiffusionやMidjourneyなどを使ったAIアート全般について勉強したい方には、以下の講座がおすすめです。

Stable Diffusionに特化して学ぶ
Stable Diffusionに特化し、クラウドコンピューティングサービスPaperspaceでの環境構築方法から、モデルのマージ方法、ControlNetを使った構図のコントロールなど、中級者以上のレベルを目指したい方に最適な講座です。

画像生成AIの仕組みを学ぶ
画像生成AIの仕組みについて学びたい方には、以下の講座がおすすめです。
画像生成AIで使用される変分オートエンコーダやGANのアーキテクチャを理解することで、よりクオリティの高いイラストを生成することができます。

まとめ
今回はStable Diffusionをローカル環境でDockerを使わずにインストールする方法について解説してみました。
インストールしたAUTOMATIC1111の活用方法については、以下の記事で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

また、以下の記事で効率的にPythonのプログラミングスキルを学べるプログラミングスクールの選び方について解説しています。最近ではほとんどのスクールがオンラインで授業を受けられるようになり、仕事をしながらでも自宅で自分のペースで学習できるようになりました。
スキルアップや副業にぜひ活用してみてください。

スクールではなく、自分でPythonを習得したい方には、いつでもどこでも学べる動画学習プラットフォームのUdemyがおすすめです。
講座単位で購入できるため、スクールに比べ非常に安価(セール時1200円程度~)に学ぶことができます。私も受講しているおすすめの講座を以下の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。


