この記事では、Anthropic の Claude Code で外部プラグインを動作させるための「MCP(Multi-Component Protocol)」の設定方法について、初学者にも分かりやすく体系的に解説します。
具体的には、スコープ(local / project / user)の違い、設定ファイルの仕組み、コマンド例、uv の導入方法、そして実際のセットアップ手順までをカバーしています。
Google 検索と連携できる具体例「mcp-gemini-google-search」の導入方法も紹介しており、Claude のカスタマイズと自動化をすぐに実践に移せるようになります。
尚、本記事はからあげさんの以下のMCP解説記事を元にインストールしてみた際に気づいたことをまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。
MCPとは
Claude Code における MCP(Multi-Component Protocol)とは、AI エージェントが外部の MCP サーバと連携してプラグインのような処理を行うための設定システムです。これを使うことで、例えば PDF を読み込んだり、ウェブから情報を取得したりする処理を、独自に立てた API サーバを通じて柔軟に拡張できます。
MCP 設定は claude mcp
コマンドによって行われ、設定内容は JSON 形式で保存されます。
スコープの違いについて
MCP サーバの設定は「どのスコープ(範囲)で有効か」に応じて保存先と共有範囲が変わります。主に以下の3種類があります。
local(デフォルト)
現在のプロジェクト(カレントディレクトリ)限定で有効な設定。主に個人開発者が使う想定です。スコープを明示的に指定しない場合はこの local が使われます。
project
プロジェクト全体で共有する設定。.mcp.json
というファイルがプロジェクトルートに生成され、Git 管理によるチーム共有に適しています。
user
ユーザーのホームディレクトリに保存される設定。すべてのプロジェクトにまたがって使用されるグローバル設定です。チームで共有はしませんが、端末全体で一貫した動作が求められる場合に適しています。
どのスコープに設定するかは後程紹介するインストールコマンドの引数で指定します。
いつ・誰が・どこに設定するのか?
設定は claude mcp add
コマンドを実行した「その瞬間」に行われます。
- いつ:CLI から
add
コマンドを実行したとき - 誰が:CLI を操作している開発者(あなた)
- どこに:スコープに応じて
.mcp.json
や~/.claude/settings.json
などの設定ファイル
設定ファイルは手動で用意する必要はなく、コマンド実行により自動的に生成・更新されます。
実際の使い方(コマンド例)
デフォルト(local スコープ)
スコープを指定せずに実行すると、現在のプロジェクトに限定された設定として保存されます。
claude mcp add my-server http://localhost:8000
プロジェクト共有(project スコープ)
チーム全体で共有する設定をプロジェクトルートの .mcp.json
に保存します。
claude mcp add my-server http://localhost:8000 -s project
ユーザー共有(user スコープ)
ユーザーのホームディレクトリに保存され、すべてのプロジェクトから利用できます。
claude mcp add my-server http://localhost:8000 -s user
事前準備
uvのインストール
Claude Code 環境では Python パッケージの依存管理に uv
という軽量ツールを利用することがあります。インストールは以下のコマンドで一度だけ行えば OK です。
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh
インストール後は uv
や uvx
コマンドが使えるようになります。
ステップごとの手順(リポジトリのcloneからの手順)
1. Git リポジトリをクローン
まずは MCP 設定対象となるプロジェクトのリポジトリをクローンします。
git clone git@github.com:your/repo.git
cd repo
2. ルートディレクトリであることを確認
.git
フォルダや README.md
などがあるルートディレクトリで作業します。
ls -a
3. MCP サーバを追加(例:プロジェクト共有)
claude mcp add my-server http://localhost:8000 -s project
このコマンドにより、ルートに .mcp.json
ファイルが生成され、チーム全体で共有できます。
4. 設定の確認
# 現在のスコープにある設定を一覧表示
claude mcp list
# 特定スコープの内容を手動で確認したい場合
cat .mcp.json # または ~/.claude/settings.json
登録された MCP サーバ一覧が表示されれば成功です。
具体例:mcp-gemini-google-search のインストール
Google 検索用 MCP サーバ「mcp-gemini-google-search」を使う場合の例です。
以下のコマンドを一発で実行することで、Claude に直接この MCP を登録できます。
claude mcp add gemini-google-search -s project \
-e GEMINI_API_KEY=<your-api-key-here> \
-e GEMINI_MODEL=gemini-2.5-flash \
-- npx mcp-gemini-google-search
<your-api-key-here>
の部分はGoogle AI StudioのAPI Keyを設定してください。
このコマンドは、必要な環境変数(APIキーとモデル名)を指定しつつ、npx
を通じて mcp-gemini-google-search
を自動的に実行・登録するものです。「google-search を使って…」とプロンプトを投げれば、MCP サーバ経由で自動検索が実行されます。
Added stdio MCP server gemini-google-search with command: npx mcp-gemini-google-search to project config
「mcp-gemini-google-search」以外のインストールは以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
Claude Code における MCP の設定は、claude mcp add
コマンドを通じて簡単に行うことができます。設定の保存先(スコープ)によって、個人用途かチーム共有かを柔軟に切り替えられる点が特長です。
事前に uv 環境を整えておけば、GitHub 上にある MCP プロジェクトを即座に起動・接続可能です。特に -s project
を活用した .mcp.json
の利用は、チーム開発におけるベストプラクティスとしておすすめできます。
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