今回はStable Diffusionで使える2次元特化モデル、Anythingに新しいV4.0がリリースされましたので、使い方を解説します。Pythonから実行しますので、自宅のローカルPCやGoogle Colabで使用できます。
また、当ブログ内のStable Diffusionに関する記事を以下のページでまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。

以下のページで自然言語処理モデルGPT-3を使ったライティングツールCatchyで、Stable DiffusionのPromptを自動生成する方法について解説していますので、あわせてご覧ください。

Anythingとは
Anythingは画像生成AIであるStable Diffusionで使用できる学習済みモデルです。2次元のアニメ調のイラストに特化したモデルとなっており、キャラクターだけでなく風景も綺麗に描画できるということで試してみました。
今回、使用するバージョンはAnything V4.0です。公式のリポジトリは以下となります。

Stable Diffusion 2.xについては以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

StableDiffusion 2.xのセットアップ
以下のコマンドを実行してパッケージをインストールします。
pip install diffusers[torch]==0.9 transformers
pip install --upgrade --pre triton
StableDiffusionのリポジトリを取得してインストールします。
pip install --upgrade git+https://github.com/huggingface/diffusers.git transformers accelerate scipy
以上でStableDiffusion 2.0のセットアップは完了です。
作成したソースコード
変更点
先ほど紹介したStable Diffusion 2.xの実行コードからの変更点は以下となります。
使用するモデルを「andite/anything-v4.0」に変更します。
model_id = "andite/anything-v4.0"
パイプラインの設定処理もパラメータを一部変更しています。
pipe = StableDiffusionPipeline.from_pretrained(model_id, scheduler=scheduler, torch_dtype=torch.float16)
ソースコード全体
今回作成したソースコードは以下の通りです。
from datetime import datetime
from diffusers import StableDiffusionPipeline, EulerDiscreteScheduler
import torch
#使用するモデルを設定
model_id = "andite/anything-v4.0"
#StableDiffusionパイプライン設定
scheduler = EulerDiscreteScheduler.from_pretrained(model_id, subfolder="scheduler")
pipe = StableDiffusionPipeline.from_pretrained(model_id, scheduler=scheduler, torch_dtype=torch.float16)
#使用する計算機を設定(GPUがない場合は"cpu"に変更)
pipe = pipe.to("cuda")
#画像生成の指示(呪文)
prompt = "(生成したい画像への指示)"
#描画する回数を設定
num_images = 5
#イラスト生成
for i in range(num_images):
#推論実行
image = pipe(prompt, height=768, width=768).images[0]
#生成日時をファイル名にして保存
date = datetime.now().strftime("%Y%m%d_%H%M%S")
path = date + ".png"
image.save(path)
実行結果
まずはHugging Face公式ページにあるサンプルのPromptを試します。
1girl, white hair, golden eyes, beautiful eyes, detail, flower meadow, cumulonimbus clouds, lighting, detailed sky, garden
以下のように非常に奇麗に背景も描画することができました。
また、キャラクターの安定感も非常に高く、Waifu Diffusionよりもかなり試行回数が少なくなりました。

続いてTwitterでchiliさんが公開されているPromptをお借りして描画してみました。
たった5枚生成しただけでこの高いクオリティの絵を描画することができました。


以下のページで自然言語処理モデルGPT-3を使ったライティングツールCatchyで、Stable DiffusionのPromptを自動生成する方法について解説していますので、あわせてご覧ください。

安定した環境を手に入れるためにはローカルでの構築がおすすめ
Stable Diffusionを使用する際にGoogle ColaboratoryやWebサービスを利用されている方も多いかと思います。しかし、最近Google Colabの無料での使用範囲が大きく制限されたり、Webサービスでは月額費用がかかったりします。
欲しいイラストを生成するにはかなりの回数をトライする必要があるため、これらの制約に縛られることなく使用できるローカル環境を構築するのがおすすめです。
ローカルのPCに搭載するグラフィックボード
ローカルマシンで実行する上で重要になってくるのがグラフィックボードです。
Stable Diffusionでイラストを生成するために実行される推論処理を、グラフィックボード上のGPUを使って大幅に高速化することができます。
トライする回数が増えれば品質の高いイラストが生成される可能性が上がりますので、グラフィックボードは重要です。
Stable Diffusionで使用するためのGPUは2022年に新たにNVIDIAから発売されたRTX4000シリーズのGPUとVRAM12GB以上のものがおすすめです。最近は半導体不足も一服したこともあり、新しい製品ながら価格が下がりつつあります。
また、PCのパーツ交換等ができない方には、RTXを搭載したゲーミングPCがおすすめです。
HP ゲーミングデスクトップPC OMEN by HP 40L RTX 3070 Ti Core i7 16GB 1TB Win11 Pro
Pythonによる自動化、UIの作成
当ブログでもソースコードを公開していますが、Stable Diffusionを使用するためのコードはPythonで簡単に実装することができます。Pythonの初歩的なプログラミングを習得することで、Promptを自動で生成、組み合わせ変更してトライするプログラムを作成したり、他の方が配布されているオープンソースのUIを自分好みにカスタマイズすることも可能です。
Pythonのプログラミングを学びたい方には、初心者からでも挫折することなく習得できるオンラインスクールがおすすめです。

最近ではほとんどのスクールがオンラインに対応しており、好きな時に自宅で自分のペースで学ぶことができます。
まとめ
今回はStable Diffusionで使える2次元特化モデルAnything V4.0を試してみました。描画されるキャラクターも風景も非常にクオリティの高いものが生成できました。
2次元を生成したい方には非常におすすめのモデルです。
以下のページで自然言語処理モデルGPT-3を使ったライティングツールCatchyで、Stable DiffusionのPromptを自動生成する方法について解説していますので、あわせてご覧ください。

また、当サイトでは画像生成以外のAIについても紹介していますので、あわせてご覧ください。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。