Ubuntu デスクトップ環境を Windows の標準リモートデスクトップ(RDP)で快適に操作するために、xRDP とその Xorg バックエンド(xorgxrdp)、さらに軽量デスクトップ環境 XFCE4 を組み合わせて構築する手順をまとめました。
この手順を踏めば、従来の VNC に比べ高速かつ安定したリモート操作が可能になります。
目次
前提条件
- Windows 10/11 がインストールされたクライアントPC
- Ubuntu Desktop 22.04 以降(Ubuntu 20.04 でも同様)をインストール済みのマシン
- クライアント・サーバー間が同一 LAN もしくはルーティング済みネットワークに接続されていること
1. Ubuntu 側の準備
1.1 パッケージの更新
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
1.2 xRDP と xorgxrdp のインストール
sudo apt install -y xrdp xorgxrdp
xrdp
:RDP プロトコルでの接続を受け付けるサーバーxorgxrdp
:Xorg バックエンドを利用して高速なデスクトップ環境を提供
1.3 XFCE4 のインストール
sudo apt install -y xfce4 xfce4-session
- GNOME よりも軽量でリモート接続に適したデスクトップ環境
1.4 セッション設定
echo xfce4-session > ~/.xsession
- xRDP がログイン時に XFCE4 を起動するように指定
1.5 サービスの有効化・起動確認
sudo systemctl enable xrdp
sudo systemctl restart xrdp
sudo systemctl status xrdp
- ステータスで
active (running)
になっていることを確認してください
2. Windows 側の操作
- リモートデスクトップ接続(
mstsc.exe
)を起動 - 「コンピューター」欄に Ubuntu マシンの IP アドレスを入力(例:
192.168.1.100
) - 接続をクリックすると、ログイン画面が表示されます
3. セッション選択とログイン
- ログイン画面でユーザー名・パスワードを入力
- セッションの選択リストが表示されたら、必ず
Xorg
を選択Xvnc
やX11rdp
は今回の構成では不要です
- OK → デスクトップ画面が表示されれば完了
4. トラブルシューティング
- 黒画面になる
xorgxrdp
が正しくインストールされていない~/.xsession
が設定されていない
- ログイン後すぐ切断される
- ファイアウォールでポート 3389 がブロックされている
- Ubuntu 側の
/etc/xrdp/startwm.sh
にカスタマイズが必要
- 日本語入力ができない
ibus
やfcitx
の設定が必要(ログイン後にインストール・設定)

まとめ
この構成により、Windows の標準 RDP クライアントで高速かつ軽量な Ubuntu デスクトップを操作できるようになります。企業ネットワークや自宅 LAN での遠隔操作、リモートワーク環境の整備にぜひお役立てください。
何かご不明点や追加のチューニング要望があれば、お気軽にコメントください!
コメント